重慶市は長江と嘉陵江の交差点に位置しており、この地理的特性がレストランのデザインに大きな影響を与えています。床の高さの変化を通じて重慶の風景の変化を表現し、人々の歩行経路は二つの川の流れを象徴しています。また、プランの配置は中国の風水文化を取り入れています。
このレストランの特徴的な部分は、天井の形状です。伝統的な折りたたみ扇子からインスピレーションを得た形状は、アルミニウム合金の骨組みと木材の表面を使用しています。また、天井の角度は伝統的な中国の傘の骨組みを示しています。
外観の一部として使用されているアクリル製のライトボックスは、重慶の伝統的な灯篭祭りから着想を得ています。日本でも同様の伝統があり、半透明の紙面の灯篭を現代的な表現としてアクリルを使用しました。夜になると、ファサードのライトは灯篭祭りの日の飛び交う灯篭を思い起こさせます。
このプロジェクトは2016年1月に開始され、同年8月に完成しました。レストランの総面積は370平方メートルで、重慶市の中心部に位置しています。このレストランは、日本のレストランでも重慶のレストランでもなく、両地域の類似性を吸収した新感覚の空間となっています。
「Suigetsu」は、その独自のデザインと文化的な融合により、2017年のA'インテリアスペース、リテール&エキシビションデザインアワードでゴールデン賞を受賞しました。この賞は、デザイナーの才能と知恵を反映し、芸術、科学、デザイン、技術を推進し、その優れた特性で世界に大きな影響を与える作品に授与されます。
プロジェクトデザイナー: TOMOHIRO KATSUKI
画像クレジット: Studio W / Wataru Ishida
プロジェクトチームのメンバー: Designer Name:TOMOHIRO KATSUKI
Designer Name:MASANORI KOBAYASHI
プロジェクト名: SUIGETSU JAPANESE RESTAURANT
プロジェクトのクライアント: TOMOHIRO KATSUKI